本日は、北国では特有の「雪」に着目して土地について考えた記事です。
雪!?!?
そう。
北国の生活と雪は切り離せません。
2021年シーズンは前年の2倍以上の積雪となり、除排雪が進まず車が立ち往生してしまったり、狭い住宅街では車がすれ違うことも困難でした。
全国的には取り上げられませんでしたが、日々の生活にかなりの影響を及ぼしました。
北国で住む以上少なくとも3ヶ月は雪が積もっており、雪との生活を無視することはできません。
当然、雪のことを考えた上で家づくりを行う必要があります。
雪が積もる地域で、「戸建住宅に住みたい!!」と考えている方はぜひ見ていただければ嬉しいです。
雪が積もることで生じる一戸建て特有の問題
雪が降ることで、どんな問題が起きるだろう?
雪かきをしなくてはならない
容易に想像できそうですが、土地の特性や土地の使い方によって雪かきの大変さは大きく変わります。
例えば家の前にどの程度の除雪が入るのか。
もちろん除雪は入ったほうが良いですが、除雪車が置いていった雪は水分を含んでいるため非常に重く、少しの量でも重労働になります。
逆に、新雪のサラサラした雪はかなり軽いため、積雪が多かったとしても雪かきの負担はそこまで大きくありません。
雪かきと一言でいっても
どんな雪かによって大きく変わるのです。
旗竿地などに代表される、アプローチ部分の範囲が広い家であれば、もちろん雪かきの範囲も広く負担も大きくなります。
青空駐車場であれば駐車場と車の雪かきが必要となりますが、カーポートを採用すれば雪かきの範囲も量も少なくなります。
このように、どのような土地なのか
土地の使い方によって大きく負担が変わります!
雪捨て場の確保が必要
基本的に敷地内の雪は自分の敷地に捨てることが原則です。
その土地の建ぺい率(敷地面積に対する建築面積)にもよりますが、土地めいっぱいに建物を建ててしまうと、雪捨て場を確保することが難しくなってしまいます。
例年あまり積雪量が多くない地域でも、ドカ雪が降る可能性は十分にあります。よって、スペースはできるだけ確保しておく方が良いでしょう。
駐車がしづらくなる
雪が積もると、路肩や家の前には雪山ができます。
雪山があると、駐車できるスペースは減ります。
歩行者も見づらくなりますし、路面状況も悪くなるため駐車は非常にしにくくなってしまいます。
このように、夏場とはかなり環境が異なってしまうため、駐車のアプローチはどうなるのか、雪捨て場をどこにするのかをあらかじめ考えながら外構計画をたてていく必要があります。
雪庇ができる
雪庇(せっぴ)という言葉をご存知でしょうか?
雪庇とは、雪のかぶった山の尾根、山頂などに、風が一方方向に吹き、風下方向にできる雪の塊である。また、雪の積もった屋根から雪がせり出している状態のことも雪庇と言う。
Wikipediaより引用
基本的には北国は無落雪屋根という、屋根の上で雪を溶かす形状の屋根が採用されています。落雪や雪下ろしの手間がかからないため、広く採用されているようです。
ですが、この雪庇は無落雪屋根であっても関係なくできてしまうものであり、非常に厄介なものなので、北国の家づくりではしっかりと考えておく必要があります。
雪庇ができやすい方向の真下には、カーポートや車・物置など被害が及ぶ可能性があるものを設置するのは避けたほうが良いでしょう。
落雪する可能性もある
雪庇からの落雪のほか、カーポートや物置、塀や植栽などあらゆるものに落雪の危険性があります。
非常に危険なのは、その落雪が歩行者に当たってしまう可能性がある、ということです。
建物と歩行者が通る歩道とは距離があることがほとんどですが、塀や植栽などは歩道と接している場合もあります。
万が一、歩行者に当たってしまった場合、建物等の所有者に責任がないとはいえません。
このように、雪が積もることで様々な問題が起きるのです。
雪は自然現象。何が起きるかわかりません。
だからこそ、リスクを想定して家づくりに反映する必要があります。
我が家の雪問題は?
我が家は一冬過ごして
どうだったのかを考えてみます。
土地については他の記事で詳しく説明していますので、こちらもどうぞご覧ください。
雪かきは…大変!
我が家は車通りが多い道路沿いの土地であるため、除雪車の置いていった雪が重くて苦労しています。更に車通りと人通りが多いため、雪かきをするのも車と歩行者を気にしながら行う必要があります。
ちびひらがいるときは、様々なものを気にしながら雪かきをする必要があり
更に重労働です…。
大きい家は…雪捨て場に困る!
大きめの家を建ててしまったために、雪捨て場の確保に困っています。
外構もハウスメーカーにお願いしましたが、打ち合わせ時には雪捨て場まで考えつかなかったため、非常に後悔しています。
これは本当に考えなかった!!
家づくり中に、アドバイスしてほしかった…。
広さに関しては、こちらの記事もご覧ください。
駐車は…しにくい!
先に記載したように、大きい通りであるため、冬はより駐車しにくくなっています。
夏場だと車線も余裕があるため後続車はよけて通行してくれますが、雪山によって車線はかなり狭くなってしまいます。雪山も高く、スペースも狭いことからかなり駐車しにくい状況となってしまいました。
もともと運転が苦手なひらこは
冬の運転ができない…
雪庇や落雪の問題もあった
我が家は無落雪屋根ですが、風下方向にとても巨大な雪庇ができました。日に日に大きく傾く雪庇に、落雪の危険性を感じました。雪庇の真下は歩行者に影響のない敷地内でしたが、我が家の場合はそこがカーポートだったのです。
北国なので積雪対応のカーポートですが、その時点でかなりの積雪ですでにカーポートの上は雪がこんもり。これに雪庇が落雪してしまったら、カーポートが破損するのかもしれない、と恐怖でした。
この期間は雪のことばかり気になり
かなりのストレスでした…。
家づくりにおける雪対策は、どんなものがある?
じゃあ、雪対策って何だろう?
土地選びと土地の使い方に焦点を当てて考えてみよう。
前面道路の広さ
雪が積もる以上、前面道路がどのような状況でもある程度の不自由が生じますが、上記の場合はよりそれを痛感してしまうでしょう。
よって、土地を選ぶ際も雪のことを考慮する必要があります。
近隣の家の状況
例えば敷地外に雪を捨てている住民がいたり、隣家からの落雪が自分の敷地に入る可能性があるような土地であれば、雪によるトラブルが起きてしまうかもしれません。
事前の情報収集には限界がありますが、土地探しの段階で確認できる機会があればより良いでしょう。
雪庇や落雪を考慮する
- 雪庇ができやすい方向に道路が来ない、車庫や玄関を持ってこない
- 屋根の形状をフラットなど無落雪にする
- 歩道の近くには落雪の可能性があるものを置かないようにする
といった配慮をして、雪庇や落雪による被害を少なくする工夫が必要かもしれません。
雪捨て場の確保
建ぺい率いっぱいに建物を建ててしまい、駐車場や物置などもいっぱいに作ってしまった場合、雪捨て場が足りなくなってしまう可能性があります。
敷地に余裕を持っておくと安心です。
その自治体によって、排雪してくれる業者等がいる場合もありますし、流雪溝などを設けているところもあります。
雪かきの範囲を狭くする
アプローチの工夫で、雪かきの範囲を限定することもできます。
ビルトインガレージやカーポートを採用すると、駐車スペースや車の除雪の負担も少なくすることが可能です。カーポートは積雪対応のものも複数あるので、地域の実情に応じて選択していきましょう。
北国での家づくりには、雪対策が重要!
このように、雪から多くの問題が予測できます。
その問題から、家づくりにおいて対策できることもたくさんあります。
我が家は2人とも北国生まれにも関わらず、家づくりで雪についてしっかりと考えられませんでした。
実際に冬を迎え、思った以上の問題や悩みが生じることとなり、非常に後悔しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
冬は毎年やってきます!
数ヶ月単位です!
その期間、どう過ごせるかの生活の質にも関わります!
我が家のような後悔をしないためにも
ぜひ雪が降ったらどうなる?という目線で
家づくりをしていってくださいね。
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